イタリアより

滞在日記

オートラント城綺譚/アラゴネーゼ城その3.

旧市街への入口「Porta Terra」(ポルタ・テッラ)

この門をくぐってお城へ行きました

2022.12.23撮影

小説「オートラント城綺譚」の舞台となったアラゴネーゼ城…

お城の地下牢に続く『地底の世界は、ちり毛の寒くなるような静けさ』で、『錆びついた蝶番(ちょうつがい)のギーとなる音が、真っ暗な長い迷路に木霊(こだま)する』『森のうしろには岩山(いわやま)があってそこに迷路のような洞窟が幾つも…』(本文より)

お城からすぐの

Torre Matta」から見た

アドリア海の風景 

2022.12.23撮影

お城は、暗く陰鬱な木々に囲まれて~と、勝手なシチュエーションを描いていた為に、今、目の前にあるアドリア海の入口に面したアラゴネーゼ城の、余りにも開けた明るい雰囲気にすっかり戸惑ってしまいました。

晴天下、青い海がこんなにまで美しく広がるこの地に、いくら中世の世だといっても幽霊なんて似合わない。小説の舞台は、ほんとうにこのアラゴネーゼ城なのかしらん?周辺を随分散策しましたが、歩けばあるくほど、その思いは強くなっていきます。

オートラントのメインストリートから

2022.12.23撮影

物語は、親子の情愛をからめつつ、自己の欲望が悲劇をもたらす結末へと展開していきますが、アドリア海の静かな港の風景を眺めながら、気持ちはいつまでもモヤモヤとしておさまりがつきません。確かに文中には「シチリア」とか「アルフォンゾ公」とか「聖ニコラス」など、南イタリアの地に符合する固有名詞がそれっぽく出てはくるのだけれど…って、たかがマニアックな古い小説なのにどこまで思い詰めるんや~って話なのですが…

アラゴネーゼ城/ウキペディアより

この中庭に

巨大なお化け兜が落ちて来た?

が、帰国して、ひょんなことからこんな動画を見つけてしまいました。「オートラント城綺譚」の舞台となったお城は、ここアラゴネーゼ城ではない。チェコに実在したお城だというのです。もしや私と同じような感想を持ち、しかも城跡を調査してまで事の真相を明らかにしようとした人が居た?

この城こそが「オートラント城綺譚」の舞台となった

チェコの「オトルハン城」…

動画「オトラントの城」

まさしく吃驚(きっきょう)の思いで見入りましたが…

その後、更に調べるとこの動画は

チェコシュルレアリストシュヴァンクマイエルによる
ウォルポールのゴシック小説の先駆的作品
 The Castle of Otranto『オトラントの城』(1764 年)を翻案した
短編映画 Otrantský zámek「オトラントの城」(1973‐79 年)。

なのだそう…#

えっこんなオチ?何だか一気に冷めたというか、憑き物が落ちた気分です…しかし「事実は小説よりも奇なり」という…もしかしたらなぁ…とも思うけれど、いやいや、これ以上詮索するのはやめておこう。。。-完-