
❛その日❜が植栽で表されている
2025年12月21日撮影
それでも21世紀に入ると、かつて荒れた姿が見られたベッリーニ公園は、幾度かの改修と再整備を経て、再び市民の公園としての顔を取り戻していきました。
私が訪ねた12月は、花もなく、あちこちに枯草が積もってはいたものの、町の中で目にしたようなゴミの散乱はなく、庭園は静かに呼吸しているかのようでした。きっと、それなりに管理され、手をかけられているのでしょう。

トマッセツリ通り側の高台
2025.12.21撮影
時が来れば、季節ごとの花が咲き、大小様々なイベントも園内で開催されています。夜にはライトアップされ、イルミネーションが灯ることもあって、遅い時間帯でなければ、夜間でもメインエリアの散策は楽しめそうです。

ローマ広場側入口
(Via Regina Margherita側)
2025.12.21撮影
長い歴史の中で、ベッリーニ庭園は、壊されることもなく、駐車場にされることもないまま、市民の公園として生き続けてきました。まるでそれは――「理想の迷宮庭園」として完成されるよりも、未完のまま、市民の庭であり続けることを、この庭園自身が選んできたかのようです。
どのような姿に変わろうとも、例え動物たちがいなくなろうとも、荒れた時期があったとしても、それでも、この公園が失われなかったのは、カターニアの人々が真に求めた場所だったからにほかなりません。
抗いようのない時間を積み重ねながらもベッリーニ庭園は、人々から守られ続けてきたのでしょう。
余談
園内を歩いていると、どこかちぐはぐな印象を受けるのも、又事実でした。例えば「救世主の丘」と呼ばれる一角では、ゆるやかに誘(いざなう)うような坂道を上りながら、そこに何かが待っているような期待を抱かされましたが、辿り着いた先に広がっていたのは、何もない小さな荒れ地、どこか取り残されたような空間でした。

白と黒のモザイクが施された
「救世主の丘」の坂道
この坂はとても綺麗に整えられていて
近年に造られたもののよう
とても中国パビリオンが建っていた時代の
「救世主の丘」へと続く道とは思えない
2025.12.21撮影
また、庭園全体にも、時代ごとに継ぎ足されてきた名残なのでしょう、どこか無理やり繋がれているような印象を受けるのも否めませんでした。いわば、歴史の継ぎ足しによる独特の構成…散策中に抱いた違和感の、これが正体なのだと思いますが、こうして歴史を知れば、さもありなんと頷かされもする思いでした。
-続く-